大学進学により21年間暮らした沖縄を離れた6年前。
「もうあの人は沖縄に帰ってくることはないんじゃないか」と周囲の人には思われていたらしい。
確かに沖縄を離れる時は、
「こんなに簡単に『なんくるないさー』がまかり通る沖縄なんて出てやるー!!!」
と思ってしまうくらい沖縄の“ゆるい”県民性に辟易していたし、
「ただし、◯◯地域を除く」の◯◯に絶対含まれる沖縄の仲間はずれにされている感を抱いて落ち込んでいたし、
どこに行くのも飛行機だし(高い所は怖いさー)、
良くも悪くも特別な沖縄の「悪い方での特別」が結構嫌でした。
でもいつからか、色々な過程を経て今では沖縄のことを愛しています。
「好き」という言葉では足りないくらい、まさしくこれは愛です。
あれだけ沖縄にうんざりしていた私を、こんなに沖縄愛に溢れる人間に復活させたなんて凄いです。
さすが郷土愛ランキングで毎年1位を譲らない沖縄。
そのような理由で、沖縄に帰る日取りが決まってからとてもウキウキしていた私。
あんなに文句を言っていた「なんくるないさー」精神で、多難な引っ越しもなんとか乗り切りました。
6年間乗り続けた軽自動車を沖縄行きのフェリーに先に乗せて、私はその後を追うように飛行機で沖縄へと帰りました。
実家に着いたのが夜遅かったので、翌日の朝、一足早く沖縄に着いていた車を港まで迎えに行きました。
早く愛車を迎えたいと思い、8時30分から車を受け取れると言うことだったので、頑張って早起きして8時30分ジャストに港に到着。
するとそこにはラジオ体操をしている集団が…
(「え?8時30分から車の引き取りができるんじゃなかったっけ?」)
私はそのスロースタートなウォーミングアップに目を疑いつつも、でも若干急いでいるし…と思って勇気を出してラジオ体操集団に声をかけました。
「あの…車を受け取りに来たんですけど…」
するとラジオ体操集団の中で一番下っ端そうな若者が苦笑いをしながら、
「すみませんねー、引き渡しは8時30分から始めましょうねー」と、
急ぐ私をまるで仕方なくあやすかのように告げてきました。
これには普段温厚な私もオーバーに時計を見ながら、
「いや、もう8時30分過ぎてると思うんですけど…」
そう頑張って伝えると「ああそうなんですねー、それじゃあ受付しましょうねー」とラジオ体操を中断して受付してくれました。
そんなにラジオ体操が大事なのかねー(泣笑)
でも何とか無事に愛車を受け取れましたとさ。めでたし。
ああ…忘れてたけどこれがウチナータイムか…私も少なからず内地に魂を染められていたんだな…
沖縄のなんくるないさー精神は予想の斜め上を行きますね。これは洗礼だー(´ ▽` )
第2のうちなーライフ頑張るぞ!
れんこん
沖縄出身。6年の県外生活を経て再びうちなんちゅになる。